こんにちは。
インドで現地採用として勤めていた会社を退職し、日本での転職活動を終えたので、インド現地採用として働いてどうだったかザッと振り返りたいと思います。
内容に少しフェイクを入れています。
インドでしていた仕事
私にとっては3社目の会社でした。
日印の合弁企業で、インド進出日系企業相手の法人営業職として2019年4月から約5年働いていました。
直近3年はインド拠点長としての業務も担当。
日本人の上司は日本本社にいて、インド人の上司はインド親会社のオフィスにいて、基本的に自社オフィスに上の人がいない状況でした。
オフィスではインド人のマネージャーと同僚、日本人の同僚と一緒に勤務していました。
使用言語は日本語5割、英語5割でした。
インド渡航前に日本で私がしていた仕事
1社目:IT関連の法人営業職 3年
2社目:サービス関連の法人営業職 2年
インド転職の際は、同業界同職種の経験をアピールして採用して頂きました。
海外就職した理由
海外でのビジネス実務経験を積んだ上で、日本に戻ってキャリアアップしたいと考えたからです。
1社目でも2社目でも、海外関連の仕事が全体の5%ほどあり、日本国内から携わっていました。
給与が凄く良いというわけではなく、次第に現地に行きたいなあという思いが募り、海外転職という道を考え始めました。
当時の私は英語力が高くなかったので、プライベートで英会話スクールに1年半ほど通い、TOEICスコアを550→745まで上げました。
当時は、私の職歴について自信がなかったこと、すぐに現地で働きたかったことから、日本国内の転職で海外駐在を狙うということは考えませんでした。
インドだった理由
表向きの理由と裏の理由があります。
<表>
・巨大な成長市場で挑戦してキャリアを築きたい
・せっかく身に着けた英語を使える仕事をしたい
・旅行で行った際に初めてもう一度行きたいと思えた国だった
<裏>
・インド各地を旅行したい
・インド映画をたくさん観たい
・ヒンディー語を勉強したい
裏の理由は、インド転職時の面接では一切言ってません。ヒンディー語の勉強は言ったか?
「英語力を伸ばしたい」と思っていても、面接での言い方は気を付けたほうが良いと思います。
会社は英語教育機関ではないのと、すでに英語力がある人、自分で努力してる人のほうが優先されるためです。
予想通り大変だったこと
①1年目が一番しんどい
1年目、毎月お腹を壊して病院に通い、それによって手術・入院を経験するなど、健康管理が本当に大変でした。
インドってお腹を壊した時の状況がレべチで、治るまでに5日くらいかかるんですよ。
1ヶ月の内1週間くらい不調なのヤバい。
また、インドの夏の環境に適応できず、顔に90個の吹き出物ができて美容皮膚科にかけこんだこともありました。
人生で初めて口唇ヘルペスを発症したりもしました。
さらに、私は渡航して10ヶ月目あたりでホームシックになりました。
当時の日本人の同僚と話して色々気付けたことがあり、日本人の同僚の存在が有り難かった。
2年目以降は、かかりつけの病院ができたり、薬や対応方法がわかったりして、だいぶ楽になりました。
②インド人と働くことの大変さ
大変というよりは、日本で同じ仕事をする時より負荷の増えた業務がある、でしょうか。
・ひとつのことを終えると他の複数のことをほったらかしにする
・やったらやりっぱなしで報告がない
・何かトラブルが起きた際に、自分の責任を回避しようとする
・全然「No Problem」ではない
・本当に「Yes」だろうか
あまりにも面倒なことが何度も何度も、5年経っても起こるので、「なんでこうなんだろう?」と原因や背景を見つけ出そうとしてしまうんですが、「こういう背景があるからこうなんだ」と決めつけてしまうのは危険だと思い、後半はソフトスキルで乗り越えました。
マニュアル化はしなくても、日本人同士で進めやすい方法を共有したりもしましたね。
・何かトラブルが起きた際に、自分の責任を回避しようとする
・全然「No Problem」ではない
・本当に「Yes」だろうか
あまりにも面倒なことが何度も何度も、5年経っても起こるので、「なんでこうなんだろう?」と原因や背景を見つけ出そうとしてしまうんですが、「こういう背景があるからこうなんだ」と決めつけてしまうのは危険だと思い、後半はソフトスキルで乗り越えました。
マニュアル化はしなくても、日本人同士で進めやすい方法を共有したりもしましたね。
予想外に大変だったこと
現地採用として仕事をしていく中で、思ってたことと違ったことが出てきたんですよね。
①インド人と共に働くこと以前に日本人と働くのが大変かもしれない
海外の現地採用って、みんな挑戦してきてるわけじゃないですか。
その心意気や行動が素晴らしいのはもちろんあり、業務の経験者じゃなくても採用するケースは往々にしてあるんですよね。
やっぱりガッツは大事なので。
そうすると、基礎的なスキルを共有するのは当然のこと、企業文化や働き方も一部示していかなければなりません。
これは私自身が拠点長を経験したからではなく、他社の方と話す中で思ったことだったり、一般社員の時にも難しさを感じたことだったりしました。
駐在員の場合、他の日本人社員も出向者で同じ仕事の仕方をしてきているからあまり感じないことかもしれません。
似たような気持ちを以前書いていた↓
②生理的欲求と安全欲求を脅かしてまでやりたいことなのか?
マズローの欲求階層説というのがあります。
下層の欲求が満たされると、さらに高次の欲求が高まるとされるもので、心理学分野で使われることが多いようです。(6段階目の自己超越欲求も提唱されています。)
これに照らすと、インド(海外)転職というのは、「海外で経験を積みたい」という自己実現はかなえられる、あるいは、「人と違うことをしてる私」のような承認欲求は満たされるのですが、生理的欲求と安全欲求という土台の部分が不安定になるリスクがあります。
日本に帰って来てから、色々なアイデアややりたいことが浮かんできたのですが、なぜこういった前向きな動きをインドでできなかったかなと思ったりしました。
自分の欲求についてマイナス(ネガティブ)をゼロにすることで精一杯で、ゼロからプラス(ポジティブ)にしていこうと考えたり行動したりするのは当時の私には簡単ではなかったんですよね。
苦手ではないはずのブログすら書けない期間もありました。
日本からは行きにくい西側の国に旅行に行けば良いのに、日本一時帰国のために休暇とお金を使ったりもしました。
ただ、だからこそ、海外就職という挑戦が評価される面もあります。
日本に帰って来てから、色々なアイデアややりたいことが浮かんできたのですが、なぜこういった前向きな動きをインドでできなかったかなと思ったりしました。
自分の欲求についてマイナス(ネガティブ)をゼロにすることで精一杯で、ゼロからプラス(ポジティブ)にしていこうと考えたり行動したりするのは当時の私には簡単ではなかったんですよね。
苦手ではないはずのブログすら書けない期間もありました。
日本からは行きにくい西側の国に旅行に行けば良いのに、日本一時帰国のために休暇とお金を使ったりもしました。
ただ、だからこそ、海外就職という挑戦が評価される面もあります。
インドで良かったこと
仕事以外の経験の部分で、「インド」で良かったこと。
①経済成長を肌で感じられたこと
日本の高度経済成長期のような街の変化をインドのグルガオンで目の当たりにしました。
コロナの影響を受けたものの、物価は上がっていくし、給与も上げざるを得ない。
未来に対する明るい希望を感じられたこと、経済成長ってあるんだと感じられたことで、人生の見方が明るくなって良かったです。
②金利の高さ
①に絡んで、インドで経済成長の恩恵を受けていることでストレスを和らげられる瞬間がありました。
私はインドに住み続けるだろうと思ってから始めたので遅かったのですが、定期預金は1年3ヶ月で7.1%、普通預金でも年利4%(3ヶ月に1回1%分が自動で振り込まれる)です。
他に、デジタルゴールドにもお金を突っ込んでいます。
税金対策でMutual Fundも。
最終的には解約することになりますが、Employment VISAでも利用可能です。
ちなみに、計画すればかなり貯金はできると思います。
私は、会社の食事付社宅に住んでいたことで出費が少なく、逆に結婚してから生活費の共同負担で支出が増えました(笑)
インド生活1年間の支出↓
③英語力は上がった
インド渡航前のTOEICスコアは、勉強と対策をしてやっと745取れるレベルでしたが、インド勤務して4年経過時に820になりました。
しかし、インドにいるとわかりますが、インドにいる日本人の英語力には差があるので、自分で勉強を続ける努力が必要です。
④インド国内旅行
旅行が大好きなので、裏の目的であったインド国内旅行ができて良かったです。
観光したのは、北インドを中心に、デリー、アグラ、バラナシ、ジャイプール、チャンディーガル、リシュケシュ、アムリットサル、ダラムシャラ、レー、ボパール(サーンチー)、オーランガバード(アジャンター・エローラ)、ゴア、チェンナイ。
本当はもっと行きたかったのですが、行けなかった事情には納得しています。
⑤インドでの友人知人との出会い
これ、インドだからという理由にしていいものか迷ったので最後に書いていますが、本当に貴重な出会いだったと思います。
現地採用だと特にインドという環境に飛び込んできた“仲間”といった意識がありました。
また、私は出身大学の同窓会の幹事をしていたのですが、駐在員としてインド赴任している方々との接点もとても楽しく、結婚生活が辛い時には親身に励ましてくださり、ほぼ全員先輩なので人生の学びの場になっていました。
日本に本帰国した理由
インド人の夫と共に、日本に生活拠点を移すことを決定したためです。
インド転職時点の計画としては、3年働いたら日本に戻ろうと考えていました。
しかし、インドで夫と出会い結婚し、インドでキャリアを築き生活する覚悟を決めつつありました。
と口では言っても、キャリアのためにインドに来たという思いがずっとあり、結婚によってインドに縛られる(と思っていた)ことを辛く感じていた時期も長かったです。
夫婦としての紆余曲折を経て、夫から日本に行こうと言われたことで、話し合いの上で日本に戻ることにしました。
なので、自分のキャリアにとって良いタイミングだったとは言い難いです。
「やりきった!よし次行くぞ!」といったマインドではありませんでした。
とは言え、コロナ禍のどん底から這い上がって会社の業績がとても良い状態で後任に引き継げたので、成果を出せたタイミングだったことは良かったかな。
インド転職したい人に伝えたいこと
何様?って感じですが。
①自分の頭で考えて動ける人に向いている
日本企業の新卒入社時にあるような研修制度は無いと思ったほうが良いです。
基本的なビジネススキルの確認と、会社のルールや業務についてはOJTがあると思いますが。
自分が学びたいと思っていること。どういう成果を出したいのか。日本に戻ることを考えているのか。
キャリアアップにせよ、そうでないにせよ、自分で考えて動ける人は向いていると思いました。
(私自身はgo with the flowなところがあり、置かれた場所でとにかく頑張るタイプなので、日本で転職活動をする今になって経歴を整理しアピールするのが大変でした。)
②自分で積極的に道を切り開けるタイプでなければ、就職は日系企業がおすすめ
私は日本の東証プライム上場企業とインド企業の合弁会社に勤めていたのですが、この選択は私にとっては本当に良かったと思いました。
小さな組織ではありましたが、やはり日本側の目が光るので、会計上変なことは起きません。私の知る限り。
これは会社の収支についてはもちろんのこと、私たち日本人社員のVISAや納税についても問題が起きないようサポートしてくれるというのは大きいと思いました。
また、コロナが発生した時すでにインドで働いていましたが、インド資本ONLYの会社で働いている人が、待遇が変わったりジャパンデスクが縮小するなどの理由で退職するのを見てきました。
もしインド資本の会社で働く場合には、「日本に戻ってキャリアアップする」ことを考えた時に、その会社で働くことで得られた経験やスキルをどのようにアピールできるか、それを自分で考えられる人が向いていると思います。
私は、運良く拠点長業務を経験したので、海外進出している日本の会社が求めるような
・インド現地法人のマネジメント
・日本本社と現地法人の調整
・日本本社に対しての会計報告
・日本本社のインド案件に関する営業支援
などの経験ができ、それがプラスになったと思います。
③未経験業界・未経験職種に挑戦しキャリアチェンジしやすい
私自身ではなく周囲を見ていた中で感じたことですが、日本で未経験に挑戦するよりも仕事が決まりやすい印象を受けました。
その場合、何度も未経験業界・未経験職種に転職していくのではなく、「日本でこの業界やこの職種でキャリア形成したいから、インド転職のタイミングでターゲットを定めて結果を出すぞ」といった気持ちや計画は必要だと思います。
(私は日本での仕事の経験をそのまま活かせる形で、同業界・同職種ででインド転職しましたが、出口をしっかり考えていなかったことを反省しました。)
④インドが好き、インドに住み続けたいのであればどんな選択でも前向きに進められそう
ここは否定できないと思うんですよね。
別に、見た目に綺麗なキャリアを築くことだけが人生ではないのですし。
2019年頃、「海外就職でキャリア形成」「出口戦略を考えろ」みたいな意見を目にすることが多く、そういう空気感しんどいわ~と思っていました。
私には裏の目的もあったので、好きな気持ちではダメなのか?と。
でも、いざ自分が日本に戻って転職する段階になって、「好きな気持ちだけで何も考えてないのはアウト!」と自分に言いたい気持ちもあります。
だって人生に絶対はないのだから。準備して損はない。
日本帰国後のキャリア
東証プライム上場企業で海外案件担当の法人営業職として勤務予定です。
元々希望していなかったので管理職ではないけれど、企業規模の点からはキャリアアップだと思います。給与もアップ。
日本への転職については、あまりにも決まらなくて涙を流したりストレスでギックリ肩になったりと、とっっっても苦労したので、別エントリーで1万字書きます。
乞うご期待!