気分が優れない。

毎年毎年、春先に来るこの気分の落ち込みが、今年はひどい。

それに加えて、2週間程前に恋人と別れて、引きずりまくっている。

そんな時こそ、映画館だ。

大好きな蒼井優ちゃんも言っていた。そんな時は映画館に来てくださいと。

行きます!

そして選んだ『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』

主観しかない感想を書いていくよ。ネタバレですよ。


≪予告編≫



≪ストーリー≫
カナダ東部のノバスコシア州。
小さな町で叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、絵を描くことと自由を愛していた。
ある日、商店で買い物中のモードは、家政婦募集の広告を貼り出した男に興味を持つ。
男は町はずれで暮らし、魚の行商を営むエベレット(イーサン・ホーク)。
モードは束縛の厳しい叔母から逃れるため、住み込みの家政婦になろうと決意。
彼が1人で暮らす家のドアをノックした。
(公式ホームページより)


≪感想≫
まずこの映画を選んだのは勢い。

私の予定が調整できたのは、『15時17分、パリ行き』と『シェイプ・オブ・ウォーター』と『グレイテスト・ショーマン』と『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』で、予約しようにも決められず、映画館のチケットを買う機械の前に来ても悩んでいた。
映画館のホームページの詳細を読んでいたその印象からこれに決めた。


そして見た。

エベレットの優しさ

前半がひたすら苦しい。
もうずっと苦しい。

ああ、これは、多分、私が普段感じる苦しさじゃない。
世の中の多数の人とスムーズな会話をすることが難しく、かつ、相手の人から理解が得られにくいことへのもどかしさ。
を見せられて辛い。

モードが、エベレットの友人に余計なことをベラベラ喋って殴られる衝撃シーンがあるんだけど、「なんでそんな余計なこと言っちゃうの??」って冷や汗ものだった。殴られるのもしょうがないよーーーーって思っちゃった。

このシーンにおいては、私はどちらかというと、エベレット側の人間かなあ。

なんというか、こう、うまくできない人にイラッとしてしまいがち。

でもエベレットのことを、優しいというかすごいと思ったのは、モードが許可なく家具に色を塗ったり家の壁に絵を描いたりしても、怒らないの!
多少は文句を言ってるけれど、私はエベレットがもっとブチ切れるかと思ってた。
すごくない?自分の家にだよ?
私は「はあ~~?!何してくれてんの?!」って言いそう。

もうこの時点で彼としては二人の家、二人で住む家って覚悟があったのかなあ。


二人の結婚

しばらく後になって、二人はちゃんと結婚をするのね。
ちょっとした式もするの。
エベレットが押す手押し車にモードが乗って家に帰る。
いつからかそれが当たり前のようになっていたのがとても好き。
そして家で2人で踊るのね。
こんな幸せはないわ、と思った。


あとは順不同の紹介になってしまうんだけど、ずーっと私の感情のメーターが振り切れていた。


二人の喧嘩

モードがエベレットと喧嘩をして家を出ていく。

ベッドに寝る時に、隣にいないあなたを思って眠るシーン。

うわああああわかるーーーー!!!!


モードが見る世界


それからね、モードが喧嘩をして長年の支援者サンドラの家にいる時に言ったこと。(だったかな?)

「窓が好き」

モードが、リウマチでなかなか外に出て活発に活動できる状況ではなかったから感じたことなのかなあと思った。
その窓から見える景色の中に、いつしかエベレットがいたんだよね。
モードは映画の中でそこまで言ってないんだけど、それを感じる映画なの。

はあ、じーんとする。


エベレットの愛

それから、一番胸に来たのは、モードがお医者さんに病気を看てもらってお医者さんが帰った後に、エベレットがモードの前に座って顔や髪を撫でるシーン。

ぐわああああ死亡フラグ(私が)!!!

この仕草は、本当に愛しい人にしかしないんだよね。
こんなふうに顔や髪に触れるなんて、どれだけこの人のことを愛しいと思ってるのか。
(まあ私が元彼にやってたし彼も私にやってた仕草なんですよね、ええ。思い出して嗚咽。)

そもそも、エベレットは言葉が少ない。それでも、節々に彼の愛を感じるんだよね。


エベレットの愛2

あとね、「ドアを開けて作業をしてほしい」「それは虫が入って嫌だから網戸をつけてほしい」という内容でモードとエベレットが言い合うシーン。

エベレットが怒って出て行った後にお家に戻ってきて、何も言わずに網戸をつけるの。

もう、愛!!!

愛が溢れ出るわ。


モードの想い

最後に、モードが亡くなって、エベレットが一人家に帰ってくる。

モードの持ち物の中に、エベレットが家政婦を募集した時の紙を見つけて、それをモードがずっと持っていたことに気づくの。

ここで私の涙腺が崩壊。私が鼻水をすする音が映画館に響き渡った。すみません。

(元恋人の家の引き出しを開けたらそこに付き合ったその日に観に行った映画のチケットの半券を見つけた時の私ーーー!!!を思い出して号泣。)


エンディング

そこからエンディングロール。

エンディングも実際の二人の紹介があってとても良い。

2曲しっかりあって、涙を落ち着かせられる時間はあるので、思いっきり感情を表に出して見て大丈夫。



とても個人的な部分だけれど、自分が一人の人と時間を共にした経験があるからこそ、ここまで胸に来るものだったのかなあとも思った。
経験としてわかるようになったことや感情が増えたのかなあ。
また、私も素敵なパートナーに出会えたらいいなあとこの映画を見て感じました。

パンフレットも買って良かった。
モードとエベレットが住んでいた家が、カナダのノバスコシア美術館に移築されているそうなので、いつか行ってみたい。


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