パンゴンツォへの道のり

インドのパンゴン湖に行きたい。 インドのグルガオンで働いています。

2021年10月


【3】のつづき



念願のパンゴン湖に到着しました。

パンゴン湖だからどこでも良いというわけではなく、私は映画『きっと、うまくいく』のあの砂嘴に行きたかったのです。

道路に「3 Idiots spot」のような看板が立っているので、万が一ドライバーさんが知らなくても大丈夫。
(そもそもこんな有名な場所を知らない現地ドライバーさんはいないと思いますが)

感動と興奮のあまり移動中の写真が全く残っていませんが、こんな写真が撮れます。

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1オブジェにつき1人50ルピーを支払います。ちゃんと有料です(笑)

私は3オブジェで写真を撮ったので、計150ルピー。
2人で3オブジェで撮る場合は、計300ルピーになると思います。

このバイクやドラム缶はひとつしかないわけでなく、湖岸にたくさん並んでいるので心配いりません(笑)
近くにおじちゃんがいて、写真を撮ろうとすると声をかけてきて代金を請求されます。



それから、映画での再会の場所がこちら。

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言葉はいりませんね。

この砂嘴に着いたらもっと感動するのかなと思っていたんですが、それよりも疲労が上回っており、キャーキャーはしゃぐようなことにはなりませんでした。

心の中では、ここの砂嘴に歩いて行くのも遠い……と思っていたくらい。

それに、私のスマホの連写機能が見つからず、ジャンプ写真を何度も撮り直すことになり、体力消耗……。

10分ほどで「もう泊まる所に行こうっ」と、自分が思ってたよりも早くこの場を立ち去りました。



パンゴン湖で泊まったのはNamtso Wooden Cottage。



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標高4,200mの、町から5時間の、携帯電話の電波が届かない場所で、個別のトイレと電気があって、雪と風を凌げてこんな充分に暖を取れる所で休むことができるなんて有り難い限りでした。

ただ、このコテージの場所がわかりにくく見つけるのに苦労したので、電波が繋がるうちに連絡して事前に位置や地域名を確認しておくことが重要です。

自分で予約したのでドライバーさんは場所を知りませんでしたが、旅行会社経由ですべて手配してもらうのであれば問題ないと思います。



このコテージの目の前はパンゴン湖です。

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パンゴン湖が青く光り輝くのは、おそらく午前11時頃~午後4時頃までかと思います。
太陽光があたる角度がポイントですね。

体力のない私はすぐベッドに入ってまた寝る……。

起きてから、コテージの食堂で少しまったりしました。

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午後8時に、ビュッフェ形式で夕食が提供されました。

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美味しかったー!
こんな立派なごはんを標高4,200mの、町から5時間の、(以下略)で食べられるなんて贅沢。

夕食は宿代に含まれていないので、管理人さんが一部屋一部屋まわって夕食が欲しいかどうか聞いていました。
作りすぎると勿体ないもんね。

私は今はもうインド料理に慣れていたし、自分が何が好きで何が好きでないかをわかっていたので楽しめたんですが、「日本に住み続けて旅行でなんとかしてパンゴン湖に来たかもしれない自分だったらこれを美味しく食べられただろうか」とふと思いました。

答えはNoでした。

このごはんが美味しくないというわけではなくて、私が、食品の好き嫌いがはっきりしていることや慣れない料理に前向きに挑戦できないといった理由からです。

結婚してから、日々の美味しいインド家庭料理によって私の舌がインド料理というものに慣れていたことは、インド旅行を楽しむ上でとても大きい要素だと思いました。



さて、夕食を終えたらあとは寝るだけ。

ということはなく、星空を楽しみにしていました。

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部屋で横になりながら夜が更けるのを待ちました。

午後10時に消灯となり、午後10時30分頃外に出てみると、そこには満天の星空。

おそらく人生で一番の星空でした。

この日、コンタクトが合わなくて(少し度が弱めの)眼鏡だったことが悔しいですが、それでも十分に堪能しました。

部屋の掛布団を持ち出して、椅子を並べて夫と二人で包まって、ずっと星空を見ていました。

流れ星を数えながら、もう夢のようで、私はミュージックビデオか何かの主人公かと思うほど。

部屋で横になっている時よりは、外で星を見ながら空気を吸っている時のほうが体調がましになっていました。

(スマホで頑張ってマニュアル撮影……。)
(何も写っていない。)

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30分ほど星空を堪能して部屋に戻り眠りにつきました。



【5】へつづく


【2】のつづき



2日目はパンゴン湖へ向かいます。

午前9時30分にホステルを出発。

「出発時間遅くない?」と夫に言っていましたが、 結局眠くて朝起きれなかったのでこの時間で正解でした。



パンゴン湖に泊まる1泊2日プランで、車とドライバーさんをGoogle mapで探した旅行会社経由で手配してもらいました。

ドライバーさんは初代イノーバでホステルまで迎えに来てくれました。

インドの有名俳優ジャッキー・シュロフ(Jackie Shroff)に似たドライバーさんで、「こんなドライバーさんいる?」と夫と話したりするくらい、珍しい風貌の方でした。(良い意味で)


↓ジャッキー・シュロフ




出発直後から凄い景色。

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見事な地層に心惹かれてずっと見ていたのですが、帰り道でビビッと感じた出来事があったのでそれはまた後で。

出発までに(眠気優先で時間が無く)何も食べられなかったので、途中のレストランに寄って朝食。

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そしてその後は、ひどい眠気に耐えられずほぼ寝ていました。

前日のワクチン接種(狂犬病と破傷風の2種)のせいなのか、高地の低酸素の影響なのか、わかりませんが……。

良い景色が見られる所で都度起こしてくれたので、その時だけ写真を撮りました。



では、どうぞ。

Sakti(シャクティ)村かな?
青空と、森林限界を超えている山々と、緑。
地球が作り出した元々の景色と、人間が作り上げたこの村の景色が美しいなと思いました。

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この後また寝てしまうのですが、起きた時に、4,000m級のいろは坂をくねくねと上ってきたのがわかりました。

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ドライバーさん目線。

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時速80~100㎞で進んでいくので、遊園地のジェットコースターよりよっぽどスリリングで楽しめると思います。(起きていられたら)

村が見えていた場所からこんなに上ってきたんだなあと思いました。

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そして、標高5,391mのChang La(チャンラ峠)に到着。
レーからパンゴン湖に向かう時には必ず通るポイントで、ひとつの目玉と言って良い場所。

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自分の人生で5,000m級の場所に行くことになるとは思っていませんでした。

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17,688 feet(約5391.3m)と書いてありますね。

寒いのと眠いのと体力がないのとで、写真だけ撮って2分ほどで車に戻りました。
この標高の場所に降り立ったという感動をもっと感じるのかと思っていたんですが、そうでもありませんでした。

この峠を越えた後は目が覚めていたと思います。

ただ、この下に見える道路に下りて行くんですが、「せっかく頑張って上ってきたのに下りるん?!」ってずっと思ってました。
縦に並んで走っているのは軍用車。

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こちらの写真で黒く見えるのは牛たち。

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ありのままの山。

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これは道中のカフェからの眺め。

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ここに警察のチェックポイントがあります。
有料トイレや川沿いのカフェがあったので、小休憩しました。

外国人観光客は、インド国境付近の特定の場所に行く際に、「Inner Line Permit」という許可証を取得しなければなりません。
オンライン及び個人では取得できず、レー現地で代理店を通して申請しなければならないので、行く際には旅行会社に要確認です。

他に、インド人・外国人を問わず「Contribution towards Ecology of Leh」というものにオンラインで登録しました。
旅行会社とドライバーさんからは、こちらの登録のほうを繰り返し確認されましたね。



そして、警察チェックポイントを越えた後の景色はまた格別でした。

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そして見えてきた青い湖。

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これが、パンゴン湖です!!!

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デスクトップの画像ではない、本物のパンゴン湖が目の前にありました。

到着したのは午後2時40分。約5時間の移動でした。

パンゴン湖は東西に長く伸びていて、ずっと先まで続いています。

私は、あの『きっと、うまくいく』の砂嘴に行きたくて、ドライバーさんに連れて行ってもらいました。



【4】へつづく


【1】のつづき



出発当日、朝一のデリー発・レー着の飛行機に乗り、爆睡。

目が覚めた頃にはレー・ラダックの山の上でした。

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もうこの時点で感動。大地の歴史を感じたからです。

なんと美しい扇状地でしょう。

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川のある所に人が住むのだということもあらためて実感しました。

また、インド国内の飛行機移動は初めてだったので、インドのLCCやデリー以外の空港というのも新鮮でしたね。

レーの空港・Kushok Bakula Rimpochee Aireportは、飛行機からタラップで降りてその場で写真撮影ができるような、こじんまりとした空港でした。

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空港には午前9時過ぎに到着。

空港から街の中心部にある予約していたホステルまでは、タクシーで一律Rs.500のよう。

そして、レーの街の標高は約3,500m。
まずは、眠気を取り身体を高地に慣らすために、ホステルに直行しました。

泊まったのはこちら、Woosah Hostel。



夫と二人だったので、ドミトリールームではなく、バルコニー付きキングルームを予約しました。

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チェックインはなんと午前9時から可能。
ホステルだから?旅行者を休ませて高地に慣らすためなのか?

とにかく、チェックイン後は、高地だからなのかなんなのか、強い眠気に襲われとても起きていられず、夫と二人眠りにつきました。



午後3時になり、ようやく起床。

ホステルでレンタルできるスクーターを借りて、チベタンマーケット(Tibetan Market)まで行こうということに。



ホステルの入口で待っていると人懐っこい猫ちゃんが私たちのほうへ。

私の足元に来たのですが、去っていったものと思い立ち上がった私は猫ちゃんの尻尾を踏んでしまったようで、「ギャーッ」と鳴いて、私の足を噛み引っ掛いて逃げることになってしまいました。

ごめんよ……。
しかし私もショック。普段なら動物に近づかないのに、絶対に気が抜けてしまっていた。

せっかくスクーターを借りたのに最初の行先は病院(笑)
狂犬病と破傷風のワクチンを打ちに行きました。

インドの公立病院に行ったのは初めてでしたが、普段行くクリニックや料金の違いを感じるなど。
その話はまた後日。
地方山間部の公立病院に行って、私なんぞに貴重なリソース割くことになってごめんなさい、という気持ちになりました。



さて、気を取り直して、チベタンマーケットへ。

ここが街の入口。

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中心部はわかりやすく歩行者天国になっていました。

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通りの先にあるジャマー(ジャミア?)・マスジッド。

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マスジッドはイスラームの礼拝堂(モスク)のこと。
最近建て替えられたらしい。
建築のことはよくわからないけれど、随分チベット風というか、イスラーム建築ではないような。
中には入らなかったので、詳細は不明。

ごはんを食べておらず、少しの移動でも疲れた私たちは、良い感じのチベットレストランに入りました。

左側がモモという餃子に似た食べ物(焼きバージョン)。
右側はトゥクパという優しい味の細麺うどんのような食べ物。

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どちらもとても美味しい。

モモは北インドに広がっていますが、トゥクパはなかなかデリー地域では簡単にオーダーできるものではありません。

チベット文化のある場所へ行ったらぜひ召し上がってみてください。

そんな美味しいチベットレストランからの景色はこんな感じ。

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山の上のレー・パレスが見えました。

徒歩もしくは車で登って観光できるようになっているそうですが、この時の私たちには下からの眺めで十分……。

もし次の機会があって体力があれば、上まで行ってみたいですね。

利用したチベットレストランはこちら。Chef's Kitchen。




食事を終えた後はホステルへ戻り、次の日に備えて早々寝るのでありました。



【3】へつづく



「ねえ、これデスクトップじゃないんだよ」

パンゴン湖に辿り着いた私は自分にそう言い聞かせた。

心が震え、涙が溢れてきた瞬間だった。


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念願の、パンゴン湖へ行ってきました。

このブログ「パンゴンツォへの道のり」のパンゴンツォです。



パンゴン湖は、インド北部、中国との国境に位置する湖です。

映画『きっと、うまくいく』を観て、この湖を知りました。

この映画が大好きなのはもちろんのこと、この湖の景色に心惹かれました。

『きっと、うまくいく』をきっかけにインド映画に興味を持ち、映画を観た年に4泊5日のインド旅行までして、インドに行った暁にはパンゴン湖に絶対に行こうと決意したのです。

日本で生活しながら休暇を取りパンゴン湖に行くというのは、私の働き方からして簡単ではない。

そう考えた私は、インドで働くことを決めました。

インド国内旅行なら、単純に日本・インド間の移動時間は削られますからね。

まあ、実際にはもう少しの思慮があってインドの会社へ転職しましたが、パンゴン湖がひとつの目的であったことには間違いありません。

『きっと、うまくいく』を観たのは、2016年10月。
(時期を覚えている理由は、当時良いなと思っていた人に振られたのが悲しくて沢山映画を観ていたから笑)

そこから今日まで、私の仕事用PC・私用PCのデスクトップ画像はネットで拾ってきたパンゴン湖になりました。

毎日見ていました。

私ではない誰かが行ったパンゴン湖の写真を。



そして2021年10月、私はパンゴン湖をこの目で見て、5年越しの思いを叶えることになりました。



【2】へつづく

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