キネカ大森にて開催のインディアン・シネマ・ウィークで『神が結び合わせた2人(原題:Rab Ne Bana Di Jodi)』を観ました。

2008年に公開された、ヒンディー語映画です。
rabnebanadijodi


ストーリー

主人公スーリ(シャー・ルク・カーン)は、突如、恩師の娘ターニー(アヌシュカ・シャルマ)と結婚することに。
スールはターニーに一目惚れしていたものの、なかば強制的な結婚だったこともあり2人の生活はぎこちないまま。
そんな中、ターニーが通い始めたダンス教室に、スーリは別人ラージを装って通い、ターニーが招待に気づかぬままペアダンスを踊ることになった……。


感想

この映画、スーリを自分だと思うか、あるいは自分のパートナーだと思うかによって、感想が変わってくるのかもしれません。

私はシャー・ルク・カーン演じるスーリへの苛立ちが未だに止みません。

スーリ、何様なの?
ずっと「ご主人様」のつもりなの?

美容室でのボビーとの会話で、(ラージではなく)「スーリの愛に気づいてほしい」と言ったあの時、うわなんだこいつ気持ち悪…と思い、その後興醒めしてつまらなくなってしまいました。

この人はいつまでひとりよがりなんだろう…ターニーのことを思ってひっそり支え励ます自分に気づいてほしい…って、結局自分のことばっかりのエゴ野郎じゃないか。

最後にどのような形でも真実を明かすのだろうと思っていたけれど、やり方よ。

ターニー怒ったらどうしよう、無事終わるのか?、と冷や冷やしていたんですが、そこは私の杞憂に終わりました。

ダンスシーンは素晴らしいんだけども、合間に入る回想によって、ターニーの気づきを私たち観客も共有することに。

いや、ああはならないでしょ。。

ターニーに余計な苦悩を強いてるよね。そこすっ飛ばしなの?納得いかないー!
全てに気付いたら、私だったらむかつくし、ではさようなら、なんだけどな。。
だって、スーリにせよラージにせよ、どうなってもターニーとはずっと一緒にいられるんだよ。(そういう話だよね?私ここちゃんと読み取れてるかな?)
でもターニーはどちらかを傷つけることを覚悟してるんだよ。
短い時間だとしても、スーリは、ターニーにだけ決断を委ねてるんだよ。
それで自分は「愛してる」って、よー言うわ。

スーリの愛、駄目じゃないよ。
ひとつの真実だし、ひそかに支える愛、見守る愛、励ます愛は、とても大事なこと。

でもそれを良いことに「自分の愛に気づいてほしい」って言うのはもう愛じゃないです。エゴです。
結局自分なんじゃん…。

しかも、ターニーだけが気付かなきゃいけないの?ターニーにだけ、気付きを求めるの?
スーリ自身は何も気付こうとしないの?

むかつく。

私、察してちゃんが嫌いなんですよ。
人の喧嘩って「気づいてくれなかった」「言わなくてもわかるでしょ」みたいなところから始まることが多くて、いつも同じ原因で喧嘩してて疲れないのかな?と思う。
私は、例えば恋人相手に、自分が何かしたら「したよ!」って言うし、頑張ったので褒めてほしかったら「褒めて!」って言うし、髪の毛切ったことや新しいお洋服に気づいてほしかったら「見て!」って言う。

「相手の求めてることに気付いて率先して行動すること」を自分がやるのは良いの。
でもそれを、自分と同じようにすることを相手に求めるのは違うんだよ。

私は、人類の争いをこれ以上増やしたくない!(誰目線)
察して案件の喧嘩はやめて!

という私の性格と考えにより、私にとってラブネは特におすすめしたい作品にはなりませんでした。

私の書いた点に関して、他の視点がある方は教えていただきたいです。



ちなみに、ラブネ大好きでオススメしてきた元彼に愚痴を言ったら爆笑していました。

「君も10年前に見てたら違う感想だったかもしれないね。」と言われた。

どうだろう、10年前は子どもだったし、昭和的な家父長制の家庭で、支える妻や母が当たり前だったら、そう思ったかもね…。


ここ以外の部分では、シャー・ルク・カーンの泣き顔がとても印象的だったな。
この人の泣き顔のせいで(おかげで?)私は今まで何回泣いてきただろうか、とこの映画を観て思った。
シャー・ルク・カーンは観てるこちら側の感情をも揺さぶる泣き顔をするよね。

あと、私の大好きなアヌシュカたん!
顔は変わってないけど表舞台に出る度に可愛くなってきたんだね!と胸きゅんでした。
はあ可愛い。
でも魅力を感じるキャラクターではなかった。シャー様様の映画だから、しょうがないのかな。

それから、音楽は好き!
以前、おそらくYouTubeの自動プレイリストで何度か聞いていたんだと思う。
映画観ながら口ずさめる自分に驚いたし、今も歌っているくらいには好き。




映画の感想って、自分の元々の考え方だけじゃなくて、その時の自分の状況も多分に影響されて出てくるものだから、今はこういう気持ちなのかなあ。
まあ、何年か経ったらまた観てみようかな……。

ほんと、この映画に関しては、他の新たな視点が知りたいです。