2022年11冊目、 佐々木美佳著『タゴール・ソングス』を読んだ。

tagoresongs

これは、ドキュメンタリー映画『タゴール・ソングス』の取材・撮影中に出会った人々の物語だ。
佐々木美佳監督が、監督自ら本として書き下ろしたものになる。

私は、この映画が公開された時にはすでにインド在住で、この映画は未だ観ることができていない。
そんな立場で理解できるのか自分で疑問に思っているが、記録は残しておきたい。



まず、これを読んで、タゴールという人の存在を強く意識し始めた。
本書で日本語に訳された詩が非常に美しく心惹かれる。
タゴールは、インドの国歌「ジャナ・マナ・ガナ」の作詞作曲をした人としてぼんやりと知っていた。
しかし、彼がノーベル文学賞を受賞していたり、多くの曲を作っていたり、また、バングラデシュ国歌の作詞までしていたとは全く知らず、この本を読むまでそこに興味関心が至らなかった。
俄然気になり始め、YouTubeで「Tagore Songs」を検索して聴くなどしている。
彼の詩集『Gitanjali』を読みたいとAmazonで探したりしている。




そして次に、日本からの発信が、私のインドへの興味を増幅させてくれることに、非常に有難い気持ちになった。
インドに住んでいると日々を生きるのに精一杯になり、目の前のことを乗り越えることや今すぐに役立つ知恵に目が向きがちになる。
すでにそこにある美しい文化に心を寄せる余裕が無くなってしまう。
タゴールやこの物語はベンガル地方がメインではあるものの、同じインドのこととして、今まで気が付いていなかった魅力を私に教えてくれるものとなった。

旅行先リストに無かったコルカタに行ってみたくなった。

タゴール・ソングス
佐々木 美佳
三輪舎
2022-02-28